働き方関連法案に関するQ&Aが出始めました
4月からはじめる働き方に関する法改正に伴い、厚生労働省に寄せられた質問の回答が出始めたようですのでご紹介します。ご参考になさってください。
《働き方改革関連法 Q&A》2019.1月
◆時間外労働の上限規制が導入に関して
質問:
施行前(2019年3月31日まで)と施行後(同年4月1日以後)にまたがる期間の36協定を締結している場合には、4月1日開始の協定を締結し直さなければならないのでしょうか?回答:
・改正法の施行に当たっては、経過措置が設けられており、施行前と施行後にまたがる期間の36協定を締結している場合には、その協定の初日から1年間に限っては、その協定は有効となります。
したがって、4月1日開始の協定を締結し直す必要はなく、その協定の初日から1年経過後に新たに定める協定から、上限規制に対応していただくこととなります。
◆年次有給休暇の確実な取得に関して
質問A:
労働者が半日単位の年次有給休暇を取得した場合には、その日数分を5日から控除することができますか?回答A:
半日単位の年次有給休暇を取得した場合には、取得1回について0.5日として、5日から0.5日分を控除することができます。また、時季指定に当たって、労働者の意見を聞いた際に、半日単位での年次有給休暇の取得の希望があった場合には、半日単位で取得することとして差し支えありません。(時間単位の年次有給休暇については、その時間分を5日から控除することはできません。)
質問B:
パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者であって、1年以内に付与される年次有給休暇の日数が10日未満の者について、前年度から繰り越した日数を含めると10日以上となっている場合、年5日確実に取得させる義務の対象となるのでしょうか?回答B:
対象となりません。
前年度から繰り越した年次有給休暇の日数は、付与日数としてカウントしません。その年に新たに付与された年次有給休暇の日数が10日以上である労働者が対象となります。質問C:
前年度からの繰り越しの分の年次有給休暇を取得した場合には、その日数分を5日から控除することができますか?回答C:
出来ます。
前年度からの繰り越し分の年次有給休暇であるか当年度の基準日に付与された年次有給休暇であるかについては問いません。質問D:
法定の年次有給休暇に加えて、会社独自に法定外の有給の特別休暇を設けている場合には、その取得日数を5日から控除することはできますか?回答D:
控除することはできません。
なお、当該特別休暇について、今回の改正を契機に廃止し、年次有給休暇に振り替えることは、法改正の趣旨に沿わないものであるとともに、労働者の合意をすることなく就業規則を変更することにより特別休暇を念じ有給休暇に振り替えた後の要件・効果が労働者にとって不利益と認められる場合は、就業規則の不利益変更法理に照らして合理的なものである必要があります。質問E:
休職している労働者についても、年5日の年次有給休暇を確実に取得させる必要があるのでしょうか?回答E:
例えば、基準日から1年間について、それ以前から得休職しており、期間中に一度も復職しなかった場合など、使用者にとって義務の履行が不可能な場合には、法違反を問うものではありません。質問F:
使用者が時季指定した年次有給休暇について、労働者から取得日の変更の申し出には、どのように対応すればよいのでしょうか。また、年次有給休暇管理簿も都度修正しなくてはいけないのでしょうか?回答F:
労働者から取得日の変更の希望があった場合には、出来る限り労働者の希望に沿った時季となるように努めてください。また、取得日の変更があった場合は年次有給休暇管理簿を修正する必要があります。
◆産業医・産業保健機能の強化に関して
質問:
長時間労働者に対する医師の面談指導が法律で定められていますが、その対象者の要件と、今回の時間外労働の上限規制とは計算方法が異なるのでしょうか?回答:
時間外労働の上限規制は、労働基準法に定める法定労働時間を超える時間について上限を定めるものです。法定労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間と決められていますが、変形労働時間制やフレックスタイム制を導入した場合には、原則とは異なる計算をすることとなります。一方、労働安全衛生法に定める医師による面談指導の要件は、労働時間の状況が1週間当たり40時間を超える時間が80時間を超えた労働者で本人の申出があった場合となっており、これは変形労働時間制やフレックスタイム制を導入した場合でも変わりません。
(※研究開発業務に従事する労働者については、1週間当たり40時間を超える時間が100時間を超えた場合に、本人の申出の有無に関わらず、医師の面談指導を受けさせる必要があります。)
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