日本の大学進学率はどのくらい?世界の大学進学率と比較
少子化が進んで、大学は全入と言われる時代に突入。にもかかわらず、日本の大学進学率が低迷しています。他の先進諸国と比較した表が次のとおりです。
オーストラリア |
96% |
74% |
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イギリス |
63% |
日本 |
51% |
ドイツ |
42% |
オーストラリア、アメリカ、イギリスの進学率が高いのは、経済的にサポートする仕組みができているのが一因。特に、オーストラリアは後払い制度が充実しているために家庭の収入に依らないで進学できる仕組みになっていると言えます。
一方、日本の大学の学費は高騰と続け、家計の負担は大きくなっています。今や大学生の2人に1人が奨学金を利用しているのが現状。親の収入が子どもの教育環境に大きな影響を与えています。
◇今と昔の大学の授業料と世帯の所得(年間)を比較
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1986年度 |
2016年度 |
比較 |
国立大学 |
252,000円 |
595,800円 |
2.12倍 |
私立大学 |
492,826円 |
877,735円 |
1.76倍 |
世帯の平均所得 |
5,056,000円 |
5,458,000円 |
1.08倍 |
上の表をみると、親の所得が30年で1.08倍にしかなっていないにもかかわらず、大学の授業料は国立大学だと2倍以上。
賃金が上昇していないのも問題ですが、授業料の増加が止まらない原因として次のような事情が挙げられています。
・私立大学は国からの補助金が、大学の収入の約3割だったものが1割程度に減少。
・授業のスタイルの変化。かつては大講堂で大勢を前に教授が教壇に立って行っていた授業が、今では小部屋でゼミ形式で行われる方式が広がっています。それによって、設備費や人件費が増加傾向にあります。
そんな中、大学も経済的に学生を支援する動きがあります。例えば、東洋大学。同校では、「独立自活」をキーワードとして、支援する制度を導入。昼間は大学の職員として働き、夜は学生として授業を受けることができます。面白いですね。このような取り組みが増えることは、教育の機会が増えると評価できますし、少子化で学生獲得が死活問題となる学校としても解決策につながるのではないでしょうか。